とくに数あるインプットの中でも、本を読むことにご褒美を与えられた子どもたちの学力の上昇は顕著でした。>
一方でアウトプットにご褒美を与えられた子どもたちの学力は、意外にも、まったく改善しませんでした。どちらの場合も、子どもたちは同じように喜び、ご褒美を獲得しようとやる気をみせたにもかかわらず。ー第2章 子どもを“ご褒美”で釣ってはいけないのか?ー 『「学力」の経済学』
書籍『「学力」の経済学』より、ご褒美が学力に与える影響に関する調査結果。
本好きとしては、本で学力が上がったという事実だけで鼻息あらく、どんな本を読んだのかまで、つっこんで聞いてみたいところだが、ここで一番、著者が主張したいのは、本の部分ではない。
「こんどの通知表がよかったら」なんて、遠い先のアウトプットに対する報酬よりも、「いま、本を1冊読んだら」、「いま宿題をしたら」といったように、近くのインプットに対する報酬の方が効果が高いと言っているのである。
しかし、なぜアウトプットへの報酬だと効果が低いのか?本書の中では、もう一歩踏み込んで、アウトプットへの報酬が結果につながりづらくしている、大きな要因についても明らかにしている。
その際たるものが、
「勉強方法が分からなかったから」
だという。
本を読む、宿題をする、といった、学力に直結するような行動を増やせば、学力が上がるのは当然だが、テストや通知表をよくしようと思っても、どうすればいいか分からない子が多いのである。
自分は子どものころ、小学校時代に限っていえば、勉強は得意な方だったのだが、今回の話を聞いて思い返してみるに、「家でゲームをするために、すべての宿題を必ず学校で終わらせて帰る」という、ある意味、短期的なインプットと報酬というサイクルを繰り返していたのが、なかなかよかったのかもしれない。
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