「骨伝導イヤホンが気になっているけど、
高い買い物だから悪いところも全部教えてほしい」
骨伝導イヤホンの購入を検討されている方から、実際にいただいた質問です。
とくに一番人気の骨伝導イヤホンブランド「Shokz(ショックス)」は、エントリーモデルのOpenMoveでも1万円するので、慎重になっちゃいますよね。自分も1本目を買うときそうでした。
そこでこの記事では、実際に3年以上、Shokzシリーズに関しては計3本を利用してきた自分自身の経験や、多くの利用者の方々の口コミをもとに「骨伝導イヤホンのデメリット」を思いつく限りまとめたいと思います。
その上で、そのデメリットに対して利用者の視点から「それでも使う理由」をそれぞれ回答していきます。
著者は、いま音声業界のスタートアップで働いていて骨伝導イヤホンを毎日、仕事でも、趣味でも、ヘビーに使い続けているので、より使い込んだ経験談をお伝えできるかと思います。
この記事を読んだ上で、骨伝導イヤホンを探してみようと思われた方は、下記の記事に「自分に合う骨伝導イヤホンの選び方」をまとめていますので、よかったら参考にしてみてください。
購入時のデメリット
はじめて買うときにはメーカーが知らないとこばかりで心配になる
骨伝導イヤホンのメーカーは、普通のイヤホンを出しているとこじゃなく、骨伝導イヤホンの専門メーカーばかりなんですよね。
骨伝導イヤホンの人気ブランド「Shokz」が「ワイヤレス型の骨伝導イヤホン」をはじめて出したのが2016年、骨伝導イヤホンの人気が高まってきたのも最近なので、はじめて買うという方はまだメーカー名もちょっと耳にしたことがある程度かもしれません。
安すぎるものはハズレが大きい
骨伝導イヤホンは、通常のイヤホンと使われている技術が違うこともあり、性能の差がまだ大きいです。骨伝導イヤホンといいつつ、振動部分が小型スピーカーになっているだけというものもありました。
迷ったら「Shokz」をおすすめします。
一定レベル以上のものは価格が高い
前述の「ハズレが大きい」という話にも関連しますが、しっかり骨伝導イヤホンを試してみたいということなら、いまだと最低でもShokzの一番安いエントリーモデルが必要な気がします。
これが1万円ですが、骨伝導の良いとこ悪いとこを体感するためにもまずはここから試したいところです。
まだバリエーションが少ない
選べるメーカーは少なく。同時に、人気のShokzブランドにしても色のバリエーションは通常のイヤホンに比べるとそれほど多くありません。モデルごとに3色〜5色ほど。
ただ、Macもそうですが、デザイン的によいものを絞ってくれているので、きっと好みのものが見つかるかと思います。
はじめて利用するときのデメリット
形が特殊なので操作に慣れが必要
骨伝導イヤホンは、特殊な形をしているので再生ボタン、音量のボタン、など使い始めはとまどうかもしれません。ただ、通常のイヤホンだとそもそもそんなボタンがなくて、スマホでしか操作できないことも多く、骨伝導イヤホンもスマホで操作できるので気にしなくていいと思います。
ボタン配置はメーカーやモデルによって違う
骨伝導イヤホンは形状がメーカーによって違うことも多く、ボタンの配置は、同じメーカーでもモデルによって違っていたりします。ただこれも、ボタンそんなに多くないので使い始めたら慣れます。
周りの人の目から感じるデメリット
音漏れが気になる
外の音が聞こえる状態なので、使っていて音漏れしてないかと気になります。通常のカナル型イヤホンと比べてもそれほど音漏れしないと言っていいと思いますが、AirPods Proのようにノイズキャンセリングしているわけではないので、相対的に音量を大きくするようになって、それによって音漏れしてしまうということはあります。
これは、周りがどれほどうるさい場所にいるかとよっても変わってくるところですが、オフィスや家で使うなら、周りの人には音は聞こえません。
下記の記事で実際の音量を比較してみたので、こちらも参考にしてみてください。
使ってる人が周りにまだ少ない
まだ使ってる人が少ないので、ちょっと変わった形のイヤホンつけてると思われます。ただ珍しいというだけなので、気にしないで良いと思います。
大きくて目立つ
Shokzの骨伝導イヤホンだと頭の後ろをぐるっと半周しているので、けっこう目立ちます。ここは耳元にだけつけているカナル型イヤホンとの大きな違いかもしれません。デザインがかっこいいので自分は気にしません。
持ってない人にたまに、大丈夫な機械なのかと聞かれる
持ってない人から骨伝導イヤホンに聞かれることがけっこう多いです。それほど、骨伝導イヤホンへの注目度が高まってきていそう。
補聴器にも使われている技術を使ったイヤホンで「大丈夫な機械」なので、会話のタネにできれば良いかと思います。
利用する場所のデメリット
外部音が大きいと聞こえづらい
電車での移動中、風が強い路地裏、交通量の多い道路横など、周りの音が大きな場所では聞こえづらいです。これは外部音が聞こえるオープンイヤー構造だからしょうがない部分です。
自分の場合は、オフィスでの仕事中に周りの声に気付けたり、在宅ワーク中に子どもや家族と会話をしたりできるのが嬉しいので、そういった場所で使っていますが、周りがうるさい場所で外の音を遮断してイヤホンの音に集中したいということであれば、骨伝導イヤホンじゃない方が良いかと思います。
周りの状況によって、人の声が把握しづらいときがある
前述の話にも関連しますが、周りの音も聞こえてしまうので、買い物中にお店の人と話す、外で会話をする、といったときに周りが比較的がやがやしていると、会話相手の声が聞こえていても「周りのがやがや」と「骨伝導イヤホンの音声」が重なって、会話しづらいです。
ただこれは、カナル型のイヤホンだとそもそも会話が難しいので、骨伝導イヤホンなら話しかけられてることに気づけて、再生のオンオフをするだけでイヤホンをかけたまま外さずに会話できるので大きなデメリットではないかと思います。
使い心地のデメリット
音量を大きくすると振動が大きい
60%くらいの音量ならそれほど気にならないですが、外がざわざわしている場所で100%の音量にすると、けっこう振動が大きいです。これも使う場所次第ではあります。
振動が気になる
音量を大きくすると細かな振動が気になります。そのまま付けていると、むずがゆい感じにもなって外したくなってくるので、これも使い方で変わる部分です。
ただ、これは屋内では音量をそれほど大きくせずともしっかりと聞こえて、振動も気にならないので、どれだけ音量を大きくして使わないといけない場所にいるかが影響しています。
一方で、耳の中に入れるカナル式だと音量をあまり大きくしなくても音が聞こえやすいのですが、常に耳の中にイヤーピースが触れことになります。自分の場合はそれで、耳の中が痛くなってしまったので、「どれだけ付けていて気になるか」という点でいうと、骨伝導イヤホンの方が断然よかったです。
下の記事で、カナル型と骨伝導型の付け心地をより詳細な体験談としてまとめているので、こちらも参考にしてみてください。
マスクとどっちを上にかえてるか忘れて手間取る
外出時に骨伝導イヤホンとマスクを一緒につけていると、「骨伝導イヤホンを外そう」と思ったときに、マスクが上にあってひっかかったり、今度は「食事のためにマスクを外そう」と思ったら、骨伝導イヤホンがマスクの上にあって引っかかる、ということがたまにあります。
これは、とくにBocoという片耳ごとにつける形状だと下のような感じでイヤホンごと取らないといけなくなるので不便でした。
ただ、Shokzのように左右が繋がっている形状であれば、メガネと同じようなもので、ちょっと気をつける必要があるという程度です。
付けたまま寝られない
頭の後ろを覆っているので、骨伝導イヤホンをつけたまま仰向けで寝ることはできません。自分は寝るときにイヤホンを使うことないので、まったく気になりませんが、環境音やヒーリング系のBGMをイヤホンで聴きながら寝たいといった方いらっしゃればお気をつけください。
専用の充電ケーブルが必要
Shokzの最新モデルだと、充電用のケーブルがマグネットタイプになっています。この骨伝導イヤホンの独自ケーブルなので、充電する場所を決めておくなど工夫が必要です。
細いので強度が心配になる
見た目が細いので、強度が心配にはなるかもしれません。ただ、間違って反対側に曲がってしまったり、落としたりしても、いまのとこ壊れたことはないので、そうとう頑丈だと思います。
防水加工もされているので、水没の危険もありません。
コンテンツ相性のデメリット
音楽に集中しづらい
外部音が聞こえてしまうので、大好きな歌や音楽を聴きたいときには不向きかもしれません。音質も骨伝導イヤホンの場合は、極端に悪いことはないですが、最高品質とはいえません。
音質を求めるのであれば、やはりAirpodsProなどのカナル型のイヤホンやヘッドホンの方が確実に良いです。
ただ、日常生活をしながらBGM的に好きな音楽を聴き続けるという用途にはすごく適しているので、自分はそちらの用途でよく使っています。
映画に没入しづらい
映画館の方がほかの情報が遮断されて映画に集中できるように、外部音が聞こえる状態だとヘッドホンなどで映画を見る時よりは没入度は下がります。ただこれも、イヤホンつけずに映画みるのとあまり変わらない環境なので、目的や用途にあわせて使うべきかと思います。
保管時のデメリット
サイズが大きいのでポケットには入れづらい
ぎりぎりポケットに入るサイズです。ただ、ポケットに入れっぱなしで必要なときだけ付けるという使い方をするにはちょっと気になるくらいの大きさ。
サイズが大きいのでカバンで場所を取る
Shokzの骨伝導イヤホンは丸型で形も固定されているので、カバンの中でもけっこう場所を取ります。ただ丈夫なので、パッとカバンにいれても壊れることはなく、大きめなので見つけやすいということもあり、「小さなワイヤレスイヤホンをカバンの中から探す」ということがなくなったこと考えると、自分はこっちの方が使いやすいです。
家の置き場所に悩む
独特な形をしていることもあって、置き場所は悩みます。どこかに引っ掛けやすい形なのっで、我が家ではこんな感じで家族みんなの骨伝導イヤホンを同じ場所にひっかけて、ここに充電ケーブルも繋げるようにしました。
子どもが遊びたがる
あまり見ない形なので、子どもがおもちゃとして持っていきます。外で子どもの友達にあったときにも、「それなあに」と聞かれることがしばしば。普通のイヤホンに比べても丈夫で、コードが断線したり、小さなイヤホンの片方がなくなる、とかないので我が家だと好きに遊ばせてます。
それでも骨伝導イヤホンをおすすめしたい理由
ここまで20個以上の骨伝導イヤホンのデメリットを紹介してきましたが、これだけのデメリットがあったとしても、自分としては「この数年でほんとに使ってよかったガジェット」のひとつだけ言い切れます。
自然に音声を聞き続けながら生活をできるという音声体験がいままでのイヤホンにはないものでした。もし気になっているのであれば、一度試してみてください。
はじめての1本なら、コスパ的にもOpenMoveがおすすめです。
もっと細かな骨伝導イヤホンごとの違いや、費用の差、Shokz以外のメーカーなどが知りたいということであれば、下記の比較も記事もぜひ参考にしてみてください。