「コンサル」って言葉が、世の中的にも一般的になってけっこうたちますが、
最近だと、数時間だけのコンサルを個人がおこなう「スポットコンサル」のサービスが日本でも少しずつ浸透してきましたね。
日本の中だと「ビザスク」などが有名どころでしょうか。「副業」「個人」といった文脈で、より一層、日本でも流行っていくのかなと。
今回は、そんなスポットコンサルの仕事を海外企業から相談いただいたときの体験談を共有させてもらいたいと思います。
※もちろん相談内容などはお話できないので、大枠の流れや個人的な所感などを中心に書きます。
日頃、本業でも「海外」の企業や個人の方と仕事をすることが比較的多いので、その経験も踏まえてお伝えできれば。
読者の方には、「スポットコンサル」については、まったくの初心者の方から、日本での経験者の方、同じように海外企業と仕事をしたことがある方、いろいろいらっしゃるかと思いますが、
今回は、一番多いかと思われる「初心者の方」向けに、厚めに補足情報をまじえながら書いていきます。なので、「知ってるよ」って情報はうまいこと読み飛ばしながら読んでいただけますと。
自己紹介が遅れましたが、「きよいち」と申します。
福岡生まれ、福岡育ちの30代。最近は鎌倉に移り住んで、ベンチャーでマーケティングや企画の仕事をしています。
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【補足:書き手の経験値】
スポットコンサル的な仕事は、「仲介会社をはさんだ形」、「個人間で直接」、日本ではそれぞれ経験あったのですが、海外企業からというのは、今回書く案件の前までありませんでした。事例としては、まだ少なく、参考になる方いるんじゃないかと思って記事にすることにしました。
スポットコンサルの仕事大枠「どんな相談内容だった?」
ぼやかして書かせていただきますが、中華系のエンタメ会社からの相談でした。
「中国でのメディアミックスの進め方」について、日本を参考に相談させてほしいとのこと。自分自身、もともと仕事で、ゲームや玩具、アニメ、コミックといったメディアミックスのディレクションを長くしてきたので、その経験をもとにした相談です。
世界的には、アメリカや中国といった国の方が、市場規模が大きくて、こういった知見も進んでそうに思えますが、ゲームやエンタメコンテンツの領域では、日本の成功事例を参考にしている企業も多いようです。
とくに「アジア」といった括りでは、アジアの経済圏がより一層大きくなっていく中で、バックグラウンドが似た日本の事例を見にいくという流れもありそう。
【補足:「スポットコンサル」でよくある相談内容】
日本のサービスを見てみると、スポット的に使いやすい、「業界、職種のヒアリング」といった形で相談している方が多いように感じます。
※例えば、「医療領域の新規事業のために医者にヒアリングしたい」など
その次に、カテゴリとして「WEBコンサル」や「人材育成」といった、専門性を活かした話での相談案件がぽつぽつとある感じかなと。
※例えば、「採用評価の仕組み作りをしているので、経験者の方に相談にのってほしい」など
スポットコンサルのオファー経路「仕事をいただいた流れは?」
自分の場合は、最初はリンクドイン経由でした。海外のスポットコンサル仲介会社さんからメッセージをいただきました。
【補足:リンクドインとは】
仕事の交流を目的にしたSNS。
個人が職歴やスキルを記録していき、
企業などが直接、採用オファーをかける流れが一般的。
仕事で電子名刺のように使っている方も海外だと多い。
→リンクドイン公式サイト: https://jp.linkedin.com/
海外のスポットコンサル仲介会社さんのメッセージでは、
「〇〇について相談にのっていただきたいクライアントさんがいるので、電話でのスポットコンサルお願いできませんか?」
といった感じで、オファーをいただきました。
(担当者の方が日本語もできる外国人の方だったので、すべて日本語でのやりとり)
ただ正直、リンクドイン経由のメッセージは業者、転職エージェントの方などもあわせると、いろんなものが届くので、最初は「怪しさ」を感じてしまいました。
スポットコンサル仲介会社さん自体のネットの評判や、連絡いただいた担当者さんのプロフィールなどを拝見させてもらって、悪い点はなさそうだったので、一度お話を聞いてみてから考えようかな…、と思ったというのが正直なところ。
全体のざっくりの流れとしては、下のような感じです。
- 仲介会社の担当者さんと5分ほど電話で詳細すり合わせ
- 担当者の方が、共有情報をもとに企業と個人をマッチング
- 当日、企業さまとの打ち合わせ
スポットコンサルのサービスは、先にメンバー登録をする形が一般的ではありますが、リンクドイン経由の場合は、先にクライアントからの相談があって、仲介会社の担当者がその条件に合った方に、オファーをかけていくという順番でした。
個人の方が入力している経歴情報をもとに検索をされているので、もし興味ある方は、そういったところも想定して、「担当したプロジェクト」なども、書ける範囲で入力できるとよいかと。
【補足:通常の「スポットコンサル」仲介サービスの手順】
一般的には、スポットコンサルの仲介サービスに先にメンバー登録をした上で、下の3つのどれかの流れで、仕事が成立することになるかと。
- 全体公募されてる案件に申し込む
- 自分のプロフィールをみて直接オファーをもらう
- 仲介会社の担当者からオファーをもらう
リンクドインを使ってのオファーは、「3」を担当者の方がメンバー以外の人まで探して、アプローチをかけている形です。
スポットコンサルでの言語「英語や中国語は話せなくて大丈夫?」
大丈夫でした。自分の場合は、通訳の方に入っていただきました。
最初のすり合わせ段階で、「通訳の方に入ってもらうかどうか」を選べたのですが、自分はまったく中国語が話せなかったのと、お互いに第二言語の英語で話すのに自信がなかったので、入ってもらうことにしました。
仲介サービスによっては、「通訳者」の方がいない場合もあるかと思うので、最初に事前確認しておけるとよいかと思います。
スポットコンサルの場所「電話で?どこかに行って?」
海外企業からのオファーの場合は、ほぼ100%が電話になると思います。
仲介会社のネット電話(独自のSkype通話のようなもの)を使って、「①クライアント」「②自分」「③通訳者」の3名で話すことになります。
通話は、スマホでも可能なので、モノとしてはスマホひとつあれば大丈夫です。
【補足:zoomやskypeなどを使わない利点】
時間が長びいてしまった場合も、しっかりと超過時間がカウントされて、時間単価のお支払いを仲介業者側で調整していただけるので、「1時間と言っていて、2時間まで伸びて、同じ報酬」などといったこともなく、揉めそうな要素が軽減されていて、いいなと思いました。
スポットコンサルでの事前準備「何か用意するものや、アンケートへの回答は必要?」
クライアントさん次第ですが、基本的には準備していくものはありません。
仲介会社の担当者の方との事前打ち合わせで「どういったことなら答えられるか」という点をすり合わせておければ、大丈夫です。
通常の仕事と同じですが、相談されることがわかっていて、記憶があいまいな部分や、最新の状況を確認しておきたい部分などあれば、事前に調べて、「先方にこの人に相談してよかった」と思ってもらえるくらいのフィードバックができるように、まとめておくという感じで、プロとしての心づもりができるとよいかなと。
スポットコンサルの報酬額「時間単価いくらくらい?」
自分が連絡いただいた仲介会社では、
「1時間あたり1万6000円」がベースラインでした。
日本の仲介サービスの「ビザスク」だと、平均時給1万5000円と公表されているので、それほど差はないように感じます。
だいたい、この金額のうち30%が企業側の手数料となります。
手数料が表示金額に含まれていて後から抜かれてしまうか、別途クライアント側に上乗せして交渉されているかどうかは、会社によって違うので、最初にすり合わせて確認しておいた方がよいかと思います。
このときに連絡いただいた海外仲介会社では、後者の「別途上乗せ交渉」されている形だったので、「1時間あたり1万6000円」がそのままこちらの手取り金額になりました。
【補足:報酬の入金の流れ】
こちらの銀行口座情報を先方に共有して、入金していただく形になります。
海外送金の場合、たいていは「銀行口座へのマイナンバーカードの認証」が必須になるので、まだ認証登録をしていない方は、ここの作業で銀行に行く必要は出てくるかなと
最後に「スポットコンサルをやってみたいと思った方は」
同じように「リンクドイン」に英語でプロフィール情報を入力して待つ、という方法もありますが、こちらはあくまで受け身の形になってしまいます。
まだ、スポットコンサル自体を経験したことがなくて、副業のひとつとして考えていきたいという方も多いのかなと思いますので、そういった方は、まずは日本の仲介サービスをさわってみることからはじめてもよい気はします。
海外の方からメッセージがきたときには、どうしても最初は身構えてしまうので、事例のひとつとして、この記事が参考になれば嬉しいです。
※もちろん、世の中には悪意のあるメッセージもめちゃくちゃあるので、そこらへんは重々お気をつけください。