学び方

【無印良品の事例】人工知能の発展後にも必ず起こる「仕事が取られてかわいそう」という感情について

自動発注システムを導入したわけですが、稼働しはじめた後、現場から不満が出てきました。発注担当者のこれまでの仕事ぶりを見てきた人は、仕事がなくなって落胆している担当者の姿をみて、「かわいそうだ」と同情するのです。ー4章 この仕組みで「生産性を3倍にできる」-「むくわれない努力」をなくす法ー 「無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい」

電子書籍「無印良品は、仕組みが9割」より、機械による仕事の効率化において起こったひとつの事例。

機械化への批判は仕事がなくなる本人だけでなく、周りの第三者によっても起こる。機械の方が効果的であるか否かに関わらず、仕事が奪われたという事実が「かわいそうだ」という感情を生み出すのである。

これは今は、本人視点の懸念ばかりが話題になっている人口知能においても、今後、人工知能が本格的に活用されるようになり、機械による仕事の効率化が加速していったとき、第三者をまきこんで顕著に問題として上がってくるのだろう。

本書の中では、このあと、周りの人たちには「自動発注システム」の実際の効果を丁寧に共有することで納得してもらったと語られていた。そして、元の担当者に関しては、発注作業にかかる時間を短縮できたことで、有益な新しい仕事に時間をかけれるようになったのだという。これは、本人が別の仕事に打ち込む姿によって、批判の声がおさまったということもあるのだろう。

本件は、以前紹介した、スターバックスが、テクノロジー導入を決める基準にも関連しているように感じる。

https://www.kiyoichi-t.com/entry/2015/11/26/063000

顧客に対しても、社員に対しても、 テクノロジーの導入は、単純な効率、意外の部分が重要になってくるのであろう。