学び方

子どもの病院嫌いをなおすのは、医療機器の小型化などではなく〇〇〇?

(子どもたちは)小型の装置や、プロセスの短縮を求めているわけではなかったのだ。その結果、医療機器メーカーは、病院とともに、入院して検査を受けるプロセス自体を、あたかも“冒険”に出るかのような経験に変えた。ー第6章 世界最先端の「スキル」-1000人を知るよりも一人を深く理解できるか- 「シリコンバレー流 世界最先端の働き方」

電子書籍「シリコンバレー流 世界最先端の働き方」より、ある医療機器メーカーが病院と共におこなった、子どもの病院嫌い改善施策。

具体的には、病院の壁や設備といったあらゆるものを、宇宙船キャンプ場などの子どもがワクワクするものに演出することで、病院に行くという行為を「冒険に行く」ようなイメージに変えたのだという。

確かに、子どものころを思い返してみると、注射が痛いとか、診療時間が長いとかよりも、まず「病院に行く」という行為自体が嫌でたまらなかった気がする。注射はとどめの一発ではあったが、そこにいたるまでの「雰囲気」がなにより怖かったのだ。

本書の中では、このアイデアに行き着くまでの過程も語られている。

しかし、そんなに難しいことはない。数千人をしらべたマーケティング調査など、「多くの人を対象にしたデータ」をひとまず横に置き、「数人にじっくりと話を聞く」ことが大切だったのだそうだ。その中で、子どもが病院に持つ怖いイメージ自体を変える、今回のアイデアが出てきたのである。

この話を聞いて、先日読んだ書籍「ぼくらの仮説が世界をつくる」の一節を思い出した。

 過去の数字を集めてきても新しいことはできません。日々の経験の中の見えないデータを信じて、自分が正しいと感じる仮説を立てること。そして、その仮説を実証するために全力で動くこと。さらに、得られたフィードバックをもとに仮説・検証を行うこと。それが大切なのです。ー第1章-「仮説を立てる」の本当の意味-「ぼくらの仮説が世界をつくる」

過去のデータや大勢の総意だけを見て、思考停止に陥ると、新しいアイデアを生むことは難しい。人ひとりをより深く理解して、仮説を立ててみることが、よいアイデアを生む秘訣なのだろう。

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