読書には、まったく未知のものに触れる喜びがあります。それは、当然のことながら読書の楽しみのひとつです。しかし、「だいたいの内容を知っているからこそ、あじわうことができる」という面もあるのです。ー第1章 「読んだつもりで終わらせない名著の読書術」よりー
小論文・作文の添削塾で塾長をつとめる樋口裕一さんの著書「読んだつもりで終わらせない名著の読書術」より、本の読み方に関するひとこと。
本は「内容」を知っていたとしてもあじわうことができる。そしてだからこそ、「ネタバレ」を先に読むことで、名著や古典は読みやすくなるのだという。
ビジネス書や専門書などといったジャンルであれば、要約や重要な部分を先に読むという人は多いかと思われるが、著者がいうには、小説などの「文学作品」においても、同様に「ネタバレ」を先に読んでしまって問題ないのだという。
※もちろんミステリなどはネタがキモだったりもするので気をつける必要があるが…
文学作品からは「ストーリー」だけでなく、感情や思考の流れをあじわうことができる。本書では「ストーリーは、文学を読む醍醐味の10分の1に過ぎない」とさえ言いきっている。
※参考になる過去記事
https://www.kiyoichi-t.com/embed/2015/11/07/095638
落語で内容が同じでも話す人が変わると違った面白さを感じるように、CDで聞いた音楽でもライブで聴けばより一層楽しむことができるように、本もまた、繰り返すことで面白みが増していくのである。
こう考えれば、まずは軽く読めるネットなどの「ネタバレ」から読みはじめるというのは、段階を踏むひとつの方法であろう。
自分の場合は、「すでに読みたいけれど、もっと読みたい気持ちを高めたい」と思うときにも、こういったネタバレの記事を探して読んだりする。
また、ネタバレを避ける人の中には、「本を読むのは内容を知るために1回だけする行為」だと考えている人がいる。しかし、名著や古典といったものは、大ネタになる部分がすでに知られていることも少なくない。それで読まなくなってしまうのは、とてももったいない。
※参考になる過去記事
https://www.kiyoichi-t.com/embed/2015/10/26/092424
本書の中では、ここで終わらず、ストーリーを知った上でどのようにしてあじわうのか、具体的な方法も細かに語られている。気になる人は本書を手にとってほしい。
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