学び方

読書好き10人が語る!「わたしが本にハマったきっかけの1冊」

あなたが最初にハマった本はなんでしょうか?

学校でおすすめされた小説や、本屋でたまたま手に取ったランキング上位の本、はたまた小さいころに熱中していたモノの図鑑、などという方もいらっしゃるかもしれません。そんな最初の1冊というのがあるのは、もちろん読書好きと呼ばれる方々も同様で、その1冊にとどまらず読書自体にハマってしまったのでしょう。ふと、そんな読書好きな皆さんは「どんな本をきっかけに読書にハマったんだろう?」と気になりました。

そこで今回は読書好きになったきっかけの1冊というのをテーマに、直接、10人の読書好きの方々に、きっかけの1冊にまつわるお話をうかがってみました。年代やジャンルもさまざまで、「こういった1冊からハマる方もいるんだな〜」と興味深かったです。これから読書を趣味にしようと思っている方や、子どもに本を読んでほしいと思っている方など、「読書が好きになりたい」「読書の魅力が知りたい」と思っている方々にも参考になるのではないかなと思います。

読書好きが本にハマったきっかけの本 10冊

三毛猫ホームズのシリーズ

語り手:らら
小学校3年生の時に、初めて赤川次郎さんの三毛猫ホームズシリーズを読みました。それまでも、読書は嫌いではなかったと思いますが、とにかく衝撃の面白さで、1冊を読み終わるまでは他に何も出来ないくらいでした。寝られないし、トイレにも行きたくないレベル(笑)

最初に読んだ本のタイトルは忘れてしまいましたが、その後一気に何冊も読みました。自分の生活に無さそうで有りそうという、スレスレの内容が、その時の自分の日常生活にファンタジーをもたらしたのです。物語の設定が現代日本なので、遠い話には思えなかったのです。教訓じみた内容でもなかったし。

当時はまだ子供なので、「ひょっとしたら猫って何でもわかってるかも?」「そんな猫が現実にいるかもしれない!」と素直に思ってしまい、猫や犬などの動物を見る目が変わってしまいました。

そう思うと、少し世の中が違って見えたというか、世の中は広いというか、自分の知っていることが少ないというか、開眼したというか(大げさ)、とにかくカルチャーショックでした。大人なら、決して思わないことですが、当時はそういう年頃だったのでしょう。

殺人が多いので、子供が読むにはどうかとも思いますが、その頃は「殺人」より「猫」の方が身近で、あまり殺人自体には何とも思いませんでした。今読むと、驚きの真犯人だとか、トリックだとか、ミステリー自体に目がいくと思うのですが、ちょっと視点がずれてますね(笑)

それが、「本は、自分の知らないことを教えてくれる」と気付いた大きなターニングポイントだったように思います。そして、それから何十年も経ちましたが、やっぱり今でも読書は大好きです。

星の王子さま

語り手:知識は財産
私は元々母が読書好きだったことで本を読む習慣がありました。でも、自分から読書が好きだと感じるようになったのはこの本と出合ってからです。

「星の王子様」は簡単なストーリーなので、子どもでも読める本です。私も初めて読んだ時は小学生でした。母が読んだ本を譲ってもらったのです。「大人になっても読める本だよ」その意味が分かったのは、成人した後に読み返した時でした。

この本には大きなテーマが含まれています。人間とは..または、人に対する思いやりの大切さなど、王子様が話す一つ一つの言葉に大きな思いが含まれています。小さい時は、キツネやバラが出てきて…と楽しいストーリーでしたが、環境破壊のテーマにまで触れているのです。

読書とは、内容を読むだけのものではなく、作者の思いや示唆しているテーマを知ることで、もっと深く読み進めることができるのです。このことに気付いた時、本を読むことは自分の生活に参考にできることが含まれていると思うようになりました。

読書を好きになるきっかけは、文字を読む楽しさを知ることから始めればいいと思います。私の母は、「漫画でもいいじゃない、感じが読めるようになるよ」と言うのが口癖でした。漫画でも感動するようなストーリー性や感性を豊かにする作品はあります。子どもに本を手に取ってもらうには、アニメ映画の文庫本でもいいと思いますよ。

ハリー・ポッターと賢者の石

語り手:マナティ
私は中学生の頃にこの本を読みました。ちょうどハリーポッターシリーズの映画が公開されていた時期だったかと思います。映画がとても話題になっていたので、原作はどんなものだろう、という単純なきっかけで手にしたのを覚えています。

当時中学生ということもあり、図書館で借りました。児童文学ではありますが、魔法界という特殊な世界観にどんどん引き込まれていきました。11歳という幼いハリー、ロン、ハーマイオニーの3人が力をあわせ、様々なことを乗り越えていく姿にも感動していました。

500ページ近くあったのですが、夢中で読んでいたので、3日くらいで読み終えてしまったと思います。それからというもの、ハリーポッターシリーズにはまり、シリーズ全てを読みました。

ハリーポッターシリーズだけ借りるのは少し恥ずかしかったということもあり、他の本も同時に借りたりして、読書というものは本当に楽しいと思い始めました。想像力も高まり、何より国語のテストの点数がこれまでより良くなったことも当時の私にとっては嬉しかったです。

かぎりなくやさしい花々

語り手:キムチです。
星野富弘さんのかぎりなくやさしい花々という本が私の人生を変えた一冊です。

かれこれ二十年前くらいの小学生時代に読みました。そのくらい低学年でも読めるように本に難しい漢字を使わないようにしてくれてるので、ぜひ読んでもらいたいです。

簡単なあらすじは、星野さん自身の実体験に起きた出来事についてまとめてます。体育教師だったある日のスポーツ授業中に脊椎を損傷し、首から下が麻痺することになりました。天井だけを見る毎日に変わってしまいました。

そんな絶望的中で自暴自棄になりながらもある一筋の光を見つけ出し、今でも多くの人に感動と希望と癒しを与えてくれる事をしてます。この話は、感動する話ではなく、本当に単純に私達に本気で努力しているのかと問われてしまう一冊です。全部を見抜かれてる気になるくらい、生き抜くってこいうことなんだなと思いました。

読書嫌いでしたが、この一冊から人の人生に少し立ち寄ってみることが出来、視野や考え方が広がるんだと思いました。今までは、とても狭い世界で生きてたんだなと思い知らされ、勿体ないなと思いました。

本日は、お日柄もよく

語り手:まる
泣けるお仕事小説です。会社の先輩におすすめされて読みました。言葉の大切さ、言葉の威力などを勉強しました。

主人公がスピーチライターという仕事に出会って成長していくお話です。同じ意味の言葉でも選ぶ言葉によって相手に与える印象が全然変わります。言葉だけで人を感動させることができることに気づかせてくれる素晴らしい1冊です。感動で涙なしでは読めません。電車の中なんてもってのほかですよ(笑)

こちらの小説に出会ってからは少し政治方面にも興味がもてるようになりました。路上演説も今まではスルーしていたのに、少し立ち止まって耳を傾けるぐらいのことはするようになりした。そして色んなジャンルの小説を読むようになりました。小説って普段使わないような言葉が沢山でてくるので面白いですよね。それに気づかせてくれた小説でもあります。

自己啓発本と小説が合わさったような内容で、自己啓発本好きな方にも小説好きな方にも満足度できる1冊です。

ふたごの魔法つかいガラスの城

語り手:さく丸
ふたごの魔法つかいガラスの城と初めて出会ったのは私が小学4年生ぐらいの時です。夏休みの読書感想文の為に学校内の図書室で本を探しているときに気になって手に取ったのがきっかけです。

名前の通り内容もファンタジーなもので、当時の私はそういったものが大好物。食いつくようにその本を読みました。小学生だった私は本の中の世界を頭に繰り広げるのがすごく楽しくて、この本の舞台であるガラスの城に入り込んだり、お姫様になった想像をしたりと、空想の中で遊んだりしていました。

その後、このシリーズは別の話がある事を知って市立図書館まで足を運んで読みに行ったりした覚えがあります。どれもファンタジーな内容のものでしたが、やっぱり最初に手に取ったふたごの魔法つかいガラスの城が魅力的だったのか、ふたごの魔法つかいシリーズならガラスの城が好きという風に行き当たってしまいます。それだけ印象深かったのかもしれません。

この小学4年生夏休みの出来事により、今まで読書に関心のなかった私は少しずつですが本を読むようになりました。ふたごの魔法つかいシリーズのような児童書から始まり、ライトノベル、ハードカバーの小説等、今ではファンタジーのみに関わらず様々なジャンルの小説まで読む範囲は広がりました。

小説を読む楽しさ。読みながら浮かぶ本の世界の情景。その世界に入り込んだり、第三者としてただ見続けていたり。読む本によって様々な楽しみ方ができると知ることができたからこそ今現在も読書をすることが好きです。

ガリバー旅行記

語り手:ゆう
私が読書を好きになったきっかけの本は『ガリバー旅行記』です。『ガリバー旅行記』は子ども向けの本が出版されていたりするため読んだことのある人は多いのではないかと思います。

また、読んだことがない人でも、ガリバーが小人の島に行ったり巨人の島に行ったりするストーリーだと知っている方は多いのではないでしょうか。『ガリバー旅行記』に対する一般的なイメージは、いわゆる冒険物語のようなものだと思われます。

しかし、本来のストーリーはまだまだ続きがあり、内容も全編通して非常に風刺的なものなのです。ガリバーが最後に訪れる島では人間が下等な生物として奴隷のように扱われるなど、小さい子どもに読ませるにはいささか不適切に思われる内容になっています。

これは世間一般のイメージとは正反対といえるのではないでしょうか。私が魅力に感じたのはこのイメージの差です。読書は私たちに様々な情報を与えてくれます。その情報には知識だけでなく、考え方や想像も含まれていると思います。

そして、今まで自分の中にあった情報を覆すようなものに出逢えたとき、私は非常に興味を引かれるのです。これは単純に新しい情報に出逢うことよりも魅力的に感じます。『ガリバー旅行記』は今まで私の持っていた情報を大きく覆してくれました。そういった点から、私はこの作品を読んでいるとき非常に興奮したのです。

世の中には誤って広まっている情報が多くあります。そういったものを覆す真実に出逢えうことができるのは読書がもつ大きな魅力であると私は思います。『ガリバー旅行記』を読むことで私はこのことに気づき、読書がより一層好きになったのでした。

Room talk

語り手:まりこ
私は普段雑誌ばかりで本を読む機会は滅多にありませんがRoom talkに出会い本をもっと読みたいと思いました。著者の岡尾美代子さんはこの本で知りました。小説などは途中で読むことを止めてしまうこともありましたがこの本は次も次も読みたいと思わせてくせる本です。

この本は岡尾さんの旅記録を綴った本です。私は当時海外に興味があったので、とても参考になりましたし好奇心を湧きたてられるような、ワクワクした気持ちにさせてくれました。

主にヨーロッパ旅行の記録を綴っており、本というより日記のような文章構成が私はとてもお気に入りです。素朴でナチュラルで気取ってなく、日常的な会話を聞いているような文章で私は好きです。

また、写真がセルフポートレートのようなポラロイドカメラを使った写真で、色褪せたヴィンテージのような雰囲気がとても好きです。

旅行本はよく読みますが観光地をピックアップしている情報だけでなく現地で生活をしているのような生活感を感じられる部分が私は好きで、今でも旅行に行く前や想い詰まった時に初心を思い出す度に読みます。

恋空

語り手:かぼすけ
わたしがこの本に出会いましたのは、中学生の頃です。ちょうど思春期の頃に読んでいた本なので、すごく思い入れがありますし、そのときは携帯小説だったので、携帯で読んでいた覚えがあります。

携帯で読んでいたときは続きがおもしろすぎて次も次もと進んでいきました。また、まだ恋人がいなかったので、恋人ができたときの自分を想像して少しどきどきしながら読んでいたのです。

ですが、大事な恋人が最終的には亡くなってしまいますので、すごく悲しい話なのですが、自分のことよりも相手のことを思う気持ちが強いので、見ててこういう生き方もいいのかもなと思わせるような気持ちになるのです。

そして、相手を必死で守ろうとする思いも読んでいる方にひしひしと伝わってきますので、自分だけが可愛いのではなく、相手の幸せを幸せに感じる主人公の彼にほんとに感動させられるのです。思春期のわたしに甘く悲しい恋心を感じさせてくれたこの本にほんとに感謝しています。

銀河鉄道の夜

語り手:イルカ
恵まれた境遇に居なかった主人公は、ある日の夜、不思議な経験をします。誰でもが乗れるわけではない、どうしたら乗れるのかもわからない「銀河鉄道」に乗って旅をします。

旅の途中に出会う者達から、大切なメッセージをもらいます。列車が、到着するべき場所に着く頃には、家族の大切さ、友人の大切さ、自分を信じて進んで行こうという思いにさせてくれる一冊だと思います。

この本を初めて読んだのは、小学校5年生の時でした。長く入院していた私に担任の先生がお見舞いに下さった本でした。元々読書は好きでしたが、宮沢賢治の本は、読んだことが有りませんでした。読み進めて行くうちに、不思議な世界に入り込んでしまいました。毎日の辛い治療から子供心にも逃げたかったのでしょう。病室のベッドの上で本を読んで居る間は、痛い注射の事も忘れて居ました。

本を読んでいて、夜、薄暗い病室の出入り口が開いたら、其処には銀河鉄道の列車が迎えに来て居るかもしれないとか現実なのか、夢なのか本当に空想していました。読書をすることによって、空想する楽しみが持てます。夢を現実に近付けたいと頑張る力が持てます。長く読書が好きで居られるきっかけは、この本の御陰だと思います。